美術

  「船、山にのぼる」

以前にもご紹介したPHスタジオのアートプロジェクト「船をつくる話」を追ったドキュメンタリー映画「船、山にのぼる」がいよいよ今日から渋谷のユーロスペースで公開されます。私も1998年と99年にプロジェクトに参加していたので、少し登場します。後ろ向き…

  冬の妻有

2006年の越後妻有トリエンナーレに出品した「ブランチ・プロジェクト」は、夏は「建物」に、冬は「乗物」になるという作品で、雪が積もったこの季節には個々のパーツを木製の「そり」として使うことができる。川西町中仙田で開かれた雪祭りに合わせて、45台…

  「通路」

東京都現代美術館へ川俣正さんの展覧会を見に行った。今回の展覧会は題して「通路」。美術館=通路という思い切りのいい設定で、美術品を鑑賞するための美術館ではなく、さまざまな活動が通り過ぎる場所として美術館を捉えるということのようだ。館内に入る…

  船、山にのぼる

以前所属していたPHスタジオのアートプロジェクト「船をつくる話」の映画ができた。その名も「船、山にのぼる」の完成試写会のために、Bankart1929に出かけた。プロジェクトは1994年にはじまる。広島県の山中、灰塚地区にダムが計画され、その一帯のアースワ…

  対象印象

ニューオータニで開催中の江頭慎さんの展覧会「都市を歩く表象」を見てきた。ガラススクリーンに映された歩く象と、重ね合わされた都市の風景。スクリーンとプロジェクターを載せた装置がセンサーによって人間を感知しながら、レール上を動く。ガラス。エア…

  駆け足で銀座

銀座へ行ったついでに、新装なったINAXギャラリーのアニアス・ワイルダーの展覧会「超重力ー無限再生ジャーニー」へ。大仰なタイトルとは違い、静謐でシンプルな作品だった。あまりよく知らない人だけれど、小径の角材で球体や筒状の立体を組み立てて展示し…

 Open Sky2.0展

新宿のICCに八谷和彦さんの展覧会「Open Sky2.0」を見に行った。ポストペットで有名なアーティストの八谷さんの現在進行形のプロジェクトは、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に登場する1人乗り飛行機メーヴェを実際につくってみようとするもの。まだジェット…

 越後妻有アートトリエンナーレ2006レポート

すっかり更新が滞ってしまった。その間に越後妻有の芸術祭の作品をなんとか完成させ、お盆休みに他の作家の方々の作品を見て回ったりしていたら、早くも会期も終わりに近い。まだ見ていない作品もいくつかあるが、いまの時点での個人的なまとめを書いてみよ…

 組み立て日和

1週間も続いた雨が奇跡的に晴れ上がりました。いよいよアーチの組み立てを決行する日に、なによりの青空です。朝から田戸の集落の方々が続々と集まってきてくれました。皆さんには開幕に間に合わないのではないかと心配していただいて、一昨日の塗装から手…

 妻有での制作風景

妻有での作品制作はいよいよ本腰。旧川西町田戸集落の押木建設さんの空き家を借りて作業場としています。周りは田植えが終わったばかりの青々とした田んぼと、濃い緑に覆われた山々。長野の工場から運んできた「そり」のベースに取り付ける座席や荷台を造っ…

 妻有の桜

妻有に行ってきました。ちょうど桜が満開で、新緑と残雪と雪解け水でとても瑞々しい景色になっています。さらに雪が溶けた水蒸気が濃い霧となって地表面に立ちこめて、夜道では5m前も見えないほどです。今回の訪問の目的は、空き家プロジェクトで出る廃材の…

 動画テスト

そり滑走テスト

 日本一の技術力

そりは長野県上田市の斎藤木材工業という集成材のメーカーでつくっています。この会社は、知る人ぞ知る技術力を誇る会社で、伊東豊雄さんの大館樹海ドームなど名だたる大断面木造建築物を手がけています。今回、作品をつくるにあたってご相談した構造家の大…

 分校の跡地で

今回の妻有の作品を設置する場所は、新潟県十日町市田戸という集落の、廃校になってしまった分校の跡地です。集落の真ん中が平らな空地になっていて、周囲には桜の巨木が何本も残っています。木造2階建ての校舎は既にここにはないのですが、実は100mくらい…

 そりがやって来る

この夏の第3回越後妻有アートトリエンナーレ2006のための試作品ができあがりました。まだ雪の残る信濃川の河原に横たわるもの、これは、そり、なのです。全長1.2m、全幅0.6m、重さ20kg弱。 シーズンオフになって閉鎖したばかりのスキー場で滑走テストをして…